好きだけど、近づかないでくださいっ!
「バカね。あの腹黒俺様があんな見え見えの女に引っかかるわけないでしょ。それにしても仕事サボって下着買いに行ったなんてアホよね」

「でも、懇親会でおとすって言ってた」

「だからそれはありえないって言ってるでしょ。それより、私はあんたの自己評価の低さが気に入らないわ。営業のやつらもあんたのこと気に入ってるやついるし、俺様はやきもきしてるはずよ」

「いやいや、ないない」

私が両手を振って否定すると、那月はわかってないわねと自分が使っていたシュシュをパッと外した。

「とりあえず、今あるものだけだけど軽く変身させてあげる。俺様の反応が楽しみだわ。それにパンツ女なんて誰も見向きもしなくなるだろうしね」



課長は那月にだけ、私を探す指示をして、他の人たちには課長の仕事で席を外していることにしておいてくれたらしい。

だから誰も席を外していた私を気にすることなんてないと思っていたのに、部署に戻ると一斉に注目を浴びた。

ザワザワと聞こえる声。確かに那月がいろいろやってくれたもののそんなに驚くほどのことだろうか。

とりあえず、一番に課長に謝らなくてはいけない。

それを考えるとまた、スキサケが不安になるけれど、迷惑をかけたし、心配までかけてしまったので当然のこと。
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