好きだけど、近づかないでくださいっ!
もしかして、私、また彼を傷つけた?

だって、分からなかったから。好きな人とこんな風に近い距離で話したり、触れたりしたことがなかった。

それを少しだけ出来るようになって、自分でも少しだけマシになった自覚もある。でも、その先が分からない。

もし、またスキサケが酷くなって、康介くんを傷つけるようなことになったら。嫌われたくない。傷つきたくない。こんな思いなら・・・

「いっそ、スキサケのままでいい」

自分で、ポツリと呟いた言葉に絶句した。私自身がスキサケを厄介だと思っている反面受け入れてしまっている。

だから、どうすればいいのかわからないんだ。当たり前だと思っているから。
< 85 / 113 >

この作品をシェア

pagetop