好きだけど、近づかないでくださいっ!
「これ、韓国ドラマで見たんだけど手錠デートって言うらしいの」

「手錠デート?!」

私と康介くんの手に付けられたものはその名の通り、手錠。そして、那月の発言に声を揃えた私たち。ただでさえ、ペアルックなのに手錠なんて付けてたら変態じゃない。

「おい、桐島。今なら許してやる。さっさと外せ」

「私、ドラマで見て憧れてたんですよー。でも、いざ手錠を買ってもさすがに自分じゃ出来なくて。役に立ってよかったです」

「アホか、変なこと言ってねえで外せって言ってんだろう」

「い、いたいです。康介くん」

「あっ、悪い。ほら、桐島早くしろ」

彼が腕を動かし、引っ張ると当然、繋がれた私も引っ張られる。
< 89 / 113 >

この作品をシェア

pagetop