好きだけど、近づかないでくださいっ!
帰りの車の中、康介くんが私の肩に凭れていてももう、逃げたい気持ちはない。

那月は予め、スキサケのことを大吾くんに話してくれていたらしく、今回の手錠デートを二人で計画してくれたらしい。

そんな二人に本当に感謝だ。だって、こんなにも楽しい時間を好きな人と過ごせるなんて思いもみなかった。

「克服したの?荒療治大成功ね。良かった」

那月と大吾くんが喜んでくれている。早く、康介くんにも伝えたい。私、スキサケを克服したんだよって。



「本当にいいの?俺なら疲れてないから鈴さんを送っていくのも問題ないよ」

「たっぷり寝たから、大丈夫だって言ってんだろうが。ほら、いいから降りろ。お前ら今日は二人でデートも出来なかっただろ。今からでも二人で過ごせ」

家の近くまで来ると、康介くんが目を覚まし、私のことは自分が後で送るから二人は先に家に帰ろと言う。


私も二人になりたかったから康介くんが起きてくれてホッとした。
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