エリート上司と偽りの恋
『そういえば明日から三日間出張なんだけど』


「長野の事業所ですよね」


『ああ。土曜には帰ってくる予定だから、次の日曜会えないか?』


「えっ、日曜……ですか?」


『都合が悪ければ別の日でもいいんだけど』


「いえ、なにもないですが」


『じゃー会おう。会いたいんだ』



主任はきっと、どうすれば私みたいな普通の女がドキドキするのかを、全て知ってるんだ。

そしてその通りに、私はいちいちドキドキさせられる。



デートなんて久しぶりすぎて、着ていく服や化粧の仕方、靴下の色さえも迷ってしまうけど、今度の日曜、とりあえず〝自分の思うままに〟動いてみるしかない。



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