エリート上司と偽りの恋
さっきは子供が選ばれて一生懸命投げてたな、次は誰だろう。
そう思っていると、飼育員さんが私たちの前で立ち止まった。
「では、そちらのかっこいいお兄さん、どうですか?」
飼育員さんが輪を差し出すと、篠宮さんは立ち上がって私の手をクイッと引っ張った。
「彼女がやります」
そう言って篠宮さんは、受け取った輪を私に手渡した。
「えっ、私ですか?」
「やりたかったんでしょ?ほら、アシカが待ってるよ」
小声でそう言われ、私は小さく頷いた。
ていうか、緊張する。変なところに行っちゃったらどうしよう……。
緊張している私に気づいた篠宮さんが、私の背中にそっと手を当てた。
深呼吸をしてアシカに向かって輪を投げると、アシカは顔を動かし見事にそれを首に通した。
「大成功でーす!素敵なカップルとアシカのタロウ君に拍手~」
私たちは見つめ合い、自然と笑顔になった。
カップルなんかじゃないけど、篠宮さんの手を握ってるだけで彼の優しさと温かさが伝わってくる。
こんなに楽しくて、幸せだって思えるデートは初めてだった。
そう思っていると、飼育員さんが私たちの前で立ち止まった。
「では、そちらのかっこいいお兄さん、どうですか?」
飼育員さんが輪を差し出すと、篠宮さんは立ち上がって私の手をクイッと引っ張った。
「彼女がやります」
そう言って篠宮さんは、受け取った輪を私に手渡した。
「えっ、私ですか?」
「やりたかったんでしょ?ほら、アシカが待ってるよ」
小声でそう言われ、私は小さく頷いた。
ていうか、緊張する。変なところに行っちゃったらどうしよう……。
緊張している私に気づいた篠宮さんが、私の背中にそっと手を当てた。
深呼吸をしてアシカに向かって輪を投げると、アシカは顔を動かし見事にそれを首に通した。
「大成功でーす!素敵なカップルとアシカのタロウ君に拍手~」
私たちは見つめ合い、自然と笑顔になった。
カップルなんかじゃないけど、篠宮さんの手を握ってるだけで彼の優しさと温かさが伝わってくる。
こんなに楽しくて、幸せだって思えるデートは初めてだった。