こんな私でいいですか?
「かな」
当日まで私は必死にお洒落の勉強をした
初めて雑誌を買い、初めてメイクを練習した。
隣の市のショッピングモールで雑誌に書いてあった流行りのワンピースとすこしだけ高いヒールを買った
ワクワクする。
地味でいじめられるような「かなこ」
とはおさらばだ。
「かな」として私は再スタートする。
当日の朝、練習した通りに完璧に仕上げ渋谷のハチ公前に向かう
ハルさんの特徴は白いティーシャツに
私に分かりやすいように赤い靴を履いてくると言っていた
「どこだろう…」
ハルさんらしき人はどこにもいない
ハルさんに連絡をする
「ハチ公まえにいます。ハルさん到着してますか?」
すぐ返信が返ってきた
「いるよ!ほら!」
目の前に現れたのは白いティーシャツに赤い靴を履いた茶髪の男の人だった
「えっ〜?!?!」
「僕がハルです。かなちゃん宜しくね♪」
SNSの会話のままの話し方
確かに女の人とは言ってなかった…
痛恨のミス…
「よ、よ、宜しくお願いします」