こんな私でいいですか?
転校生ハル
ハルは2年生。私は1年生。普通に過ごしていれば基本会うことはない。
学校の、唯一の落ち着く場所はこの図書室。
沢山の本を読んでいると自然と時間がすぎ1人でいることを忘れさせてくれる。
しかし、今日は一段と図書室がうるさい。
原因はハル。
たった1日でファンをつくった彼。
確かに世の女性が騒がないわけがないルックス。
お話上手。
「はぁ…」
「かーなちゃん♡」
「うわっ!!」
「君、かなちゃんでしょ。」
「し、静かにして下さい」
「ハルぅ〜〜どうしたのぉ〜?こんな地味子なんかほっといてあっちいこ〜」
チャラいギャルめのお姉様方に連れられハルは行ってしまった。
小さな紙の切れ端が私の本に挟まってる
『放課後、ここで。』
きっと、ハルだ。
会いたい気持ちと、会えないという現実。
『明日でもいいですか』
そう紙に記して机に置いといた
次の日私は「かな」の私で登校した。
メガネを外し、メイクをして、髪だって下ろしてみた。
スカートも、少しだけ上げて。
ほとんどの人が私を知らない。地味だった私は誰の目にもついていなかった。
あの子だれ?
おっ?かわいくね。
そんな声が少しだけ聞こえてくる
これが、かなことしての本当のスタートだ。