この恋、理由はいりません


にやにやしながらこの状況を見ていたのだろう。趣味の悪い男。


「俺、立花さんがモテないのわかるかも」


出て行こうと、すれ違う瞬間に小声で言ってくるのだから余計に趣味の悪さがうかがえる。



「わたしは、どうしてこんなデリカシーのない人が営業成績いいのかわかりませんけどね」




負けずに言い返すとピクリと眉毛が上がった。


……今日は厄日なのか。


今日何回目だろうかため息をこぼしてデスクへ足を進めた。



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