演劇の王子

演劇部の面々





「新入生代表、松本なごみ」



「はい」



登壇し、一礼する。





徹夜で仕上げた文章を胸ポケットから出そうとして、手を止めた。



今までの練習からして、見ながら話すと決まって棒読みになるのだ。


それも、なんの感情もないようなひどい棒読み。


それを披露するのはさすがに躊躇う。



せっかく成績ナンバーワンで入学したのに笑い者だ。



私は決心すると、マイクに向って話し始めた――――







< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop