完璧なカノジョの秘密
⑥夏祭りと浴衣と大好きなキミ
終業式の日。
私は、夏休みの過ごし方や課題の説明をする担任の話を、どこか遠くに聞いていた。
「……………………」
ボーッと、ただ机の木目を見つめる。
私、清人と付き合う事になったんだよね?
すごい嬉しい、すごい嬉しいんだけど……。
清人との登下校も、昼休みも、みんな……つまり、猿君や、愛梨さん、飯島くんがいるので、2人きりになれないのが悩みだった。
みんなと一緒にいられるのは、すごく楽しい、嬉しいんだけど…。
清人ともっとイチャイチャ……いや、仲良くしたい。
初デートはまだだし、でも自分から言い出すのって、すごく恥ずかしい。
あぁでも、夏休みになるんだし、夏祭りとか……ベタかな。
人混みだから、一緒に手を繋いでくれるとか!
なんて、妄想しそうになって、私はすぐに我に返る。
そして恥ずかしくなって、私は自分の髪を撫でた。
「なぁ、まりあ様がボーッとしてるの、めずらしくね?」
「もうホームルーム終わったけど、どうしたんだろうね?」
「でもでも!あの憂い顔も綺麗だよなー!」
なんだか周りがザワザワする。
あれ、ホームルームまだ終わってないんだー。