完璧なカノジョの秘密
「はぁ………」
早く終わらないかな、ホームルーム。
終わったら、清人に言ってみようかな、勇気出して。
「お前、話しかけてみろよ!」
「あーでも、すげぇ、緊張する!」
相変わらず、うちのクラスはうるさい。
仮にも、ホームルーム中に、先生の話聞かなくていいの?
あ、待て。
でも、私も聞いてるふりで、実は聞いてないじゃない?
なら、同じだわ……。
「あのっ、まりあ様っ」
「……………?」
まりあ様………私の事だ!!
私はゆっくりと顔を上げる。
すると、クラスの男子の1人が私の前に立っていた。
あれ、なんでホームルーム中に立って…。
「えーと、なにかご用で……?」
とりあえずそう返事を返して、私は周りを見渡す。
すると、皆はそれぞれ席から離れていて、もうすでに帰った人や、ファンの集まりばかりだった。
もうホームルーム終わったんだ?
全然気がつかなかったな…。
「あっえっと………っ、夏休み、予定無ければ俺等と……」
その男子を席についたまま見上げていると、突然、自分の席に影が落ちた。