完璧なカノジョの秘密
フレッシュなクリアショートヘアーは、チョコレートのような濃い茶髪。
確かに、すごいイケメンだ。
……まぁ、興味は無いけれど。
「なにか用事が?失礼だけど私、あなたと面識無いのだけど…」
私は、濡れた靴下を脱ぎながら、そう答える。
見かけたことがあるくらいで、話した事は無い。
だから、我妻君が私に話しかけてくる理由が思い付かない。
「何か用……じゃねーよ!お前、大丈夫かよ!?」
飛び降りた私より青い顔でそう言うもんだから、私は吹き出してしまった。
「ふふっ、酷い顔。あなたこそ大丈夫?」
「あのなぁ、2階から飛び降りたんだぞ、笑ってる場合か?」
呆れたように私を見下ろす我妻君。
見た目クールそうなのに、色んな顔をする人だな…。