完璧なカノジョの秘密
⑦遠ざかる距離、波乱の予感
ー夏休みが開けた新学期。
9月、残暑の残る季節……秋になった。
今日も、いつものように清人と登校し、私は下駄箱の扉に手をかける。
ーガタンッ
ーバタバタバタッ、カサカサッ
下駄箱を開けた瞬間に起こる惨劇。
私の足元には、新学期も変わらずにプレゼントやら、ファンレターが落ちている。
「年中誕生日みたいだな」
「ちょっと、他人事だと思って……」
笑う清人を一睨みして、私はソレを拾い、鞄に詰めていく。
すると、その中にある、黒い封筒に目が奪われた。
………めずらしい。
いつも可愛らしいピンクや白の封筒が多かったのに、無地の黒い封筒なんて…。
「………?」
あれ、誰宛なのかも書いてない。
裏に、書いてある……のかな?
裏を返して見ても、宛先人の名前は無かった。
「まりあ、クラス行くぞ」
「あ、うん!!」
後で、封筒開けてみればいいか。
不審に思いながらも、私は封筒を手に、清人の後を追った。