完璧なカノジョの秘密
「先輩は、狙われてます」
「…………………?」
ーチーン
まさに、この効果音が合っているこの状況に、私は目を見開く。
何を、何を言い出すの、有谷君は。
「は?」とツッコミを入れようとして、また朝の手紙の事を思い出した。
まさか、有谷君はあの手紙の事を??
「俺のクラスに、秋野 美樹(あきの みき)っていう女子がいるのを知ってますか??」
「えーと、ごめん2年生の子はさっぱり……」
「その美樹が、我妻 清人先輩の事が好きで、まりあ先輩の事を良く思ってないんです!」
私の事を、邪魔に思ってるって事だよね。
あぁ、清人は学園でもモテてるの忘れてた。
まさか、こんな風に矛先が来るなんて、予想もしてなかったよ。
「手紙も、まりあ先輩を脅すためにしたに決まってます!」
「そ、そっか……やっぱりそうよね…」
あ、でもあれ??
私、有谷君に手紙の事話したっけ?
あぁ、でもどっかで話してるか。
でなきゃ有谷君が知ってるはずないし。