完璧なカノジョの秘密


「き、清人!」


私は、思いきって、清人に声をかける。

すると、2人は驚いたように私を見つめた。


「は?ま、まりあ!?」


すると、なぜか清人は、とっさに美樹を背中に隠すように私の前に立った。


え……?

気のせい、だよね……?

清人が、美樹さんを庇ったように見えて、ドクンッと胸が嫌な音を立てる。


「えーと、もうそろそろ昼だし、たまたま……ここに通りかかったから、理科室一緒に行こう?」


「いや、先に行っててくれ。俺、秋野と話があるから」


えっ……?

清人の事狙ってるんだよ、美樹さん。

まさか、何か騙されて、巻き込まれてるんじゃ…。


「話って、何??」

「それは……話せねー。大事な話だから、お前はとりあえず先行ってろ」


何それ……。

大事な話って?

私に話せないって、何で??

大事な話なら、なおさら私に話してほしかった。


「………私には、話せない?」

「言ったろ、大事な話だって。俺だけの問題じゃねーんだよ」


そう言って、清人は後ろの美樹さんを振り返る。

すると、美樹さんは切なげに涙を浮かべた目で、清人を見つめた。



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