完璧なカノジョの秘密


「まりあ、落ちたぞ……」

「っ!」


ーバシッ!

私は、それを手で振り払った。

自分でも、どうしてそんな事をしたのか、分からない。

こんな事したら、清人が心配するって分かってるのに、そうせざる終えなかった。


「まりあ、どうした?」

「あっ…………ご、ごめんね!」


私は、ハッと我に返って、清人の手を両手で握りしめる。

思いっきり叩いちゃった、清人の手、怪我してないかな??

慌てて手を確認すると、怪我はしてないみたいで、ホッとした。
   

「俺の事はいい、まりあ、すげー顔色悪いぞ!?」


清人は私の両頬を両手で包んで、私を心配そうに見つめる。

もう、言ってしまいたい…。

でも、それで清人が離れていったら……辛いよ…。

私が我慢すれば、済む話だし、なにより清人を失いたくない…。


「我妻先輩っ!!」


2人、ただ見つめ合っていると、そこに一番会いたくない人が現れた。


「秋野……?」

清人が、私の頬から手を離す。

私も美樹さんに視線を向けた。


「我妻先輩っ……助けてっ…」

すると、美樹さんはポロポロと泣き出す。

えっ……美樹さん、泣いてる…?

私と清人は驚いて目を見張る。





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