完璧なカノジョの秘密


それでも、すぐに何か心当たりがあったのか、清人は美樹さんに駆け寄った。


「また、何かされたのか?」

「は、はい……我妻先輩にしか、頼れなくてっ」


2人は、コソコソと何かを話していた。

それを見つめて、胸が苦しくて堪らなくなる。


「我妻先輩っ……」

あろうことか、美樹さんは清人の胸に抱きついた。

それを、清人が抱き止める。


「大丈夫か?」

清人も、美樹さんの背中を優しく擦ってあげている。

私だけが、取り残されている感覚だった。


「秋野、保健室行け。その顔じゃ、変に思われる」

「はい……あ、あのっ……我妻先輩も来てくれますか?」


美樹さんは、すがるように清人に抱きつく手に力を込めた。

そんな美樹さんに、清人は罰が悪そうな顔をして、私を振り返った。



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