完璧なカノジョの秘密



「実は……」


私は、毎日黒い封筒の脅迫状が届く事と、その犯人かもしれない美樹さんの事を皆に話した。


「清人のバカ、なーにやってんだ……」


猿くんは後頭部をガシガシと掻いて呆れたように天井を見上げる。


「我妻君の事はああ見えて、困ってる人をほっておけないなので、気持ちは分かる気がする」


「でもでも、どんな時も女の子は1番でいたいんです!全く、そんな小悪魔に騙されるなんて、我妻先輩も大したことありませんっ!!」


怒り出す愛梨さんに、私はなんだか気持ちが楽になった。

みんなが私の為に考えてくれるのが、すごく嬉しい。

こんな事なら、早く相談すれば良かった。


「秋野 美樹さんは、愛梨のクラスでも男キラーで有名ですよ!あの手この手で男を食べてるんです!」


「あぁ、でも、美樹さんは今、彼氏が…」


ーガラガラガラッ


わっ、清人!?

昼休みにここに来るのは、清人しかいないから、皆がそう思って話を止める。

そして、理科室の扉が開くと、そには予想外の人が現れた。


「えーと、あっ!まりあ先輩!」

「えっ、有谷君!?」


そう、有谷君が私を訪ねて理科室に来たのだ。

私は慌てて有谷君に駆け寄る。

すると、有谷君は私の手を掴んだ。





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