完璧なカノジョの秘密
⑧さよならは涙と一緒に
次の日、相変わらず清人とは気まずい空気の中、登下校は続けていた。
これは、私たちを繋ぐ唯一の繋がりのような気がして、どんなに気まずくて、言葉出なくても、止める事は出来なかった。
「花園ー、悪いな、数学準備室にコレ返してきてくれ」
「はい」
私は、先生からまた物差しや分度器の入った箱を受けとる。
私たちは、2週間後に迫った文化祭の準備に向けて、小道具を作っている。
それに使った物差しやらを、先生は私に頼んだ。
ーガサリッ
箱を受けとると、中身が揺れる。
普通の女の子よりは腕力ある方たけど、普通男子に頼まない?こういうの……。
「まりあ様、お持ちしま…」
「大丈夫よ、ありがとう」
それはにこやかな笑みを浮かべて、ファンから逃げる。
それにしても、2年の教室に行くの、少し気が引けるなぁ。
美樹さんの事、それから……。
どこまで本気か分からないけど、有谷君に告白された事もあるから、気まずい。
荷物を手に、階段を上がっていると、2年生の階の踊り場に、人影があった。
少し死角になるので、周りから見えない。