完璧なカノジョの秘密
「きっと、有谷君もグルに決まってますっ!」
愛梨さんの言葉に、同様する。
有谷君は、私が辛いときに励ましてくれた。
裏切られてたなんて、思いたくないよ……。
それに……。
私は、有谷君との会話を思い出す。
『俺は、そんな綺麗でいられない。目的の為なら、なんだってする……。なのに、アンタは我妻先輩にチクったり、しなかった』
なら、この言葉の真意は?
アンタって私を呼んだり、敬語が無かったり……、本当に私を騙すつもりなら、最後まで可愛い後輩を演じてたはず。
有谷君に何かの目的があって私に近づいたのは確かだけど、全てが嘘だったなんて思えない。
「海よりもこの学校で価値がありそうな男がいたから、乗り換えたいの。まぁ、海と別れないのは保険ですよ」
「美樹さん……あなた、本気で言ってるの?」
だとしたら、清人の気持ちは?
有谷君の気持ちは、どうなるの?
「そんなの、騙される男が悪……」
私は、最後までその言葉を聞けなかった。
耳が汚れる、そう思って私は美樹さんにズカズカと歩み寄ると、思いっきり手を振りかぶる。
「っ!!」
そして、息を一瞬止めて、思いっきり振り下ろす。
ーパシィィンッ!!
「キャアッ!!」
そして、私は美樹さんの頬にビンタをかました。
その瞬間に、愛梨さんは解放されて、地べたに尻餅をつく。
美樹さんは、私にビンタされた頬を押さえて、私を睨み付ける。