完璧なカノジョの秘密


「きっと、有谷君もグルに決まってますっ!」


愛梨さんの言葉に、同様する。

有谷君は、私が辛いときに励ましてくれた。

裏切られてたなんて、思いたくないよ……。


それに……。

私は、有谷君との会話を思い出す。


『俺は、そんな綺麗でいられない。目的の為なら、なんだってする……。なのに、アンタは我妻先輩にチクったり、しなかった』


なら、この言葉の真意は?

アンタって私を呼んだり、敬語が無かったり……、本当に私を騙すつもりなら、最後まで可愛い後輩を演じてたはず。


有谷君に何かの目的があって私に近づいたのは確かだけど、全てが嘘だったなんて思えない。


「海よりもこの学校で価値がありそうな男がいたから、乗り換えたいの。まぁ、海と別れないのは保険ですよ」


「美樹さん……あなた、本気で言ってるの?」


だとしたら、清人の気持ちは?

有谷君の気持ちは、どうなるの?


「そんなの、騙される男が悪……」


私は、最後までその言葉を聞けなかった。

耳が汚れる、そう思って私は美樹さんにズカズカと歩み寄ると、思いっきり手を振りかぶる。


「っ!!」


そして、息を一瞬止めて、思いっきり振り下ろす。


ーパシィィンッ!!

「キャアッ!!」

そして、私は美樹さんの頬にビンタをかました。

その瞬間に、愛梨さんは解放されて、地べたに尻餅をつく。

美樹さんは、私にビンタされた頬を押さえて、私を睨み付ける。







< 252 / 309 >

この作品をシェア

pagetop