完璧なカノジョの秘密


「我妻先輩っ!!」

すると、さっきまでの強きな態度を一変して、美樹さんは清人にすがりつく。


「どうした、秋野?」

「ま、まりあ様が、私をいきなりぶってきてっ!!」


心配そうな清人に、美樹さんは涙目で訴えた。

ここまでくると、いっそ清々しい。

よく、ここまで嘘がつける。


「まりあは、理由なくそんな事しねーよ」

「清人………」


清人の言葉に、胸がポッと温かくなる。

傷つけられたが信じてくれた事が嬉しかった。


「何があったんだ、本当は」

「………それは……」


私は、話そうとしてまた躊躇ってしまう。


やっぱり、清人になんて説明したらいいのか分からない。


清人はきっと、心から美樹さんを心配してた。


それは、清人が少しでも美樹さんを信用していて、助けたいって、気持ちがあったからだ。

真実を知って、傷つくんじゃ…。











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