完璧なカノジョの秘密
「でも、好きだから、一度はこの人しかいないって思ったから、嫌でも、何度裏切られたって信じちゃうんだよ…」
どんなに遠い所へいっても、たとえ彼氏と彼女っていう特別な関係を失っても…。
私はやっぱり清人の事を考えていて、忘れるのは難しい。
今でも私は、清人を信じたいって思ってる。
「でもね、有谷君の分まで一発ビンタしてきたからね!」
私はバッと立ち上がって、有谷君にビシッと親指を立てて見せる。
「………………は?」
すると、有谷君はまるで絵にかいたように目を点にした。
その気の抜けた顔に、私はクスクス笑う。
「私達は本気で恋してんだーって、怒鳴ってきた!」
「マジか……本当、規格外だよ、アンタ」
呆然としている有谷君に、私は笑う。
あれは、なんたかスッキリしたな。
同時に、寂しさもあったけど……。
「え、待って…じゃあ我妻先輩とは?ビンタしたとか、余計仲こじれんじゃん!」
「……………うん」
私は悲しくなって、それでも笑みを作った。
でないと、今にも泣き出して、叫んでしまいそうだから。
「今日、別れてきたよ」
「!!」
有谷君は驚いたように私を見つめる。
そして、悲しげに眉を歪めた。