完璧なカノジョの秘密
「俺のせいでもあるね……ごめん、本当」
「違う、これは私と清人の心の問題。たとえどんな問題があったとしても、乗り越えられなかった私達の問題だよ」
お互いを最後まで信じて待つ事ができなかった。
好きだから不安で、何でも知らないと、怖いの。
「もう、苦しくて耐えられなくなっちゃった私のせい」
もっと私が強かったら。
もっと寛大な心があったら。
そんな後悔ばかりが押し寄せて、私を責める。
「好きだけじゃ、傍にいられないんだって、やっと気づいたよ……」
終わりなんてこないって信じてた。
あんなに繋がりあってるって信じてたんだけどな…。
「まりあ先輩、こんな時に言うのは卑怯だって分かってる。けど、前に俺が言った事、嘘じゃないから」
「前………」
それが、有谷君からの告白だと、すぐに分かった。
「どんな時でも、変わらずに綺麗な心のままのまりあ先輩に、俺は惹かれた。俺のになってとは言わないけど……頼れる人間がここにもいるって覚えといて」
そう言って笑う有谷君に、私は笑みを返す。
その優しさが、すごく嬉しかった。
泣きそうになった私は、それを誤魔化すように空を見上げる。
優しい秋の風が、涙を拭うように、サラリと流れた。