完璧なカノジョの秘密
「酷いわ、眼福と言ってよね」
いくら照れてるからって、毒とは聞き捨てならない。
私は、笑いながらそう言って、渡されたジャージに袖を通した。
「ありがとう、我妻君」
「あ?何で俺の名前知ってんだ?」
不思議そうに私を見つめる我妻君に苦笑いを浮かべる。
「我妻君を知らない女の子、いないと思うけど?」
モテてる自覚ないの??
いや、それはさすがにありえないよね。
「おーーい清人ー!!」
すると、今度はスポーツ刈りの、金髪の男子がこちらに走ってきた。
「オイ猿!!お前、俺に掃除させといて、どこ行ってたんだよ」
「水止めに行ってたんだよ……って!!嘘だろぉぉ!?」
猿?と呼ばれた男子が、私を見て驚きの声を上げる。
うわ、早々に逃げないとまずそうだ。