完璧なカノジョの秘密



「はい!まりあ様にぜひ着てほしくって!」 

「本当にお似合いで、感動です!!」


女の子がキラキラした瞳で私を見つめる。

そんな女の子達に笑みを向けた。


「ありがとう、文化祭頑張りましょうね」

「「キャーッ!!」」


そう激励の言葉をかけると、なぜかまた女子達の悲鳴が上がり、私は苦笑いしたくなるのを堪える。


それにしても、毎日放課後にこうして、残って1つの物を作り上げるっていうのは良い。


文化祭、楽しみになってきたな…。

出来上がってきた迷路を見つめながら、つくづくそう思った。


「それじゃあ、衣装合わせ終わりです!」

「脱いじゃうのもったないですけどね!」


そういう女の子達に笑いながら、私は制服に着替え直した。

そして、まだ衣装のほつれを直している彼女達に声をかける。


「ゴミ、私が捨ててくるわ」


そう言って、大きなゴミ箱を両手で抱える。

すると、皆が慌てたように私に駆け寄る。



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