完璧なカノジョの秘密
そして、廊下を歩いていると、ちょうど階段の所から、鞄を持った、有谷君が降りてきた。
「有谷君!!」
「え、まりあ先輩??」
私が有谷君に駆け寄ると、驚いたように私を見つめてくる。
「まりあ先輩も、文化祭の準備?」
「うん、そんな所」
そう言うと、有谷君は不思議そうに私の顔を見つめた。
「何か、話したそうだね。我妻先輩の事?」
有谷君は、鋭いなぁ…。
確か、前に体育館裏で話した時も、悩んでいるのを見透かされた。
「それもだけど、有谷君に協力して欲しい事があるの」
「俺に、協力して欲しい事?」
「うん、実は……」
私は、簡単にさっき清人が怪我した事と、美樹さんの事を話した。
そして、美樹さんと直接話す為に、文化祭の日、うちの出し物の、最終ステージまで、連れてきてほしい、そう頼んだ。
「まりあ先輩、向き合う事にしたんだ」
「うん、もう逃げない」
私が逃げていたから、清人が怪我をした。
離れていても、清人が私を好きでいる限り、きっと私は清人を巻き込んじゃう。
だから、私が問題を解決しなきゃ…。