完璧なカノジョの秘密
⑩ベールを脱がして
ー文化祭当日。
私たちのクラスの出し物『まりあ様の試練』アトラクションは、なぜか人気だった。
主に、学内の生徒に。
ただ、最終ステージまでに到達出来る人たちが少なく、私はすごく暇だ。
「有谷君、ここまで来れるかな……」
なんというか、このアトラクションは謎々や熱々おでん早食い競争など、それはもうくだらないけど難易度が高い。
「はぁ、やっと辿りつきましたですぅ!」
「愛梨、お前すげーな!普通、あの早さでおでん食えるか!?」
「そりゃあ、まりあ様に会いたいからです!」
どうやら、一組目がやってきたみたい。
というか、この声は愛梨さんと猿君だ。
私は、ベールをなびかせて、白く長いドレスを引きずりながら、用意されていた、玉座から降りる。
そして、月の形の飾りがついた、長い杖を持って、2人の前に姿を表した。
「よく、ここまで辿りつきました」
「「まりあ様!!」」
私が現れると、2人は興奮したように声を上げる。
それに苦笑いを浮かべながら、役に集中した。