完璧なカノジョの秘密


「さてと……」

私はスタスタと2人から離れる。

そして、数歩前に出た所で、くるりと振り返った。


「ジャージ、ありがとう。明日、洗って返すわ!」

「いや、別にそのままで……」

「また明日、我妻 清人君」


私は、またくるりと前を向き、歩き出す。


「はぁー!?清人なんで名前呼んでもらってんだよ!?」

「あ!?知らねーよ!!」

後ろで、猿さんと我妻君の会話が聞こえてクスッと笑う。


私を知らない人、遠巻きじゃない…普通に接してくれた人は、我妻君が初めて。


今日は、嬉しい1日だったな…。

たまには、プールに飛び込むのもアリかも、なんて。


弾む胸に、小さく微笑みながら、プールを後にした。










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