完璧なカノジョの秘密


「よいっしょ!」


私は窓から理科室へと入り、紙袋を手に取る。

そして、ヒョコッと窓から顔を出した。


「お前な、窓から飛び出すの好きなのか?」

「たまたま、窓がそこにあったからよ。はい、これ」


窓から身を乗り出す私を呆れた顔で見る我妻君に、ジャージの入った紙袋を押し付ける。


「これ……って、ジャージか」


我妻君は紙袋の中を見て納得する。

もちろん、昨日洗い立てホヤホヤだから、綺麗だ。


「あれ、良い匂いがする……」

「良い匂い?」


我妻君はジャージを手に取り、鼻を近づける。

たぶん、フローラルの柔軟剤の匂いだろう。

いや、これは何というか……。



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