完璧なカノジョの秘密
「っ………ふうっ……」
あぁ、まずい。
ホッとしたら体がまた熱くなってきた。
早く着替えて、横になりたい。
私は、そそくさと拍手歓声の中を抜けて、体育の外に繋がるドアから抜け出す。
そして、袴のまま体育館の壁に背中を預けて座った。
ーサァァァァッ
「風が気持ちいいー」
「ったく、無茶苦茶だな、まりあサマ」
外の風に涼んでいると、聞き覚えのある声がした。
「アハハ、良く言われる」
振り返らなくても分かる、この声は我妻君だ。
我妻君は、そっと私の隣に座る。
「無茶すんなって言っても聞かねーし、こっちとら、心労が祟りそうだ」
「我妻君、心配してくれるの?」
私は、火照る体と朦朧とする頭のせいで、一点を見つめたまま動けない。
ぼんやりと風に揺れる雑草を見つめながら、そう尋ねた。