Everlasting true love♡♥Ⅱ
俺は一之瀬組に来た。
負けた一之瀬組の連中は俺に攻撃しようとはしてこない。
甘すぎる。
これだから負けたんだ。
俺は足早に廊下を進む。
するとどこからか女の泣き声が。
見てみると乃愛瑠の声。
父と姉が死んで泣いているのか、鬱陶しい。
見なかったふりをして踵を返そうとした時、それが目にはいった。
腕や足、
いたるところにある痣。
その傷からして男にされたわけではなさそうだ。
だとしたら麗良しかいない。
だがあのおしとやかで可憐な麗良が暴力?
信じられない。
壮「乃愛瑠。」
俺はつい声をかけてしまった。
この子はあの日、全てを見てしまった子。
俺を恨んでいるに違いない。
乃「・・・おじさ・・・」
顔も痣だらけ。
乃愛瑠は俺に縋り付いてきた。
小さな手で、弱い力で、
必死に俺にしがみつく。
迷子の子供のように。
父の敵だというのに・・・・
俺は壊してしまわないように、
優しく抱きしめた。
そして感じる人のあたたかさ。
誰かにこんな風に抱きしめられたことがないうえに、抱きしめたことがない俺には初めての感覚だった。