恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「で、今何人?!」

旬の家の門扉を開けようとした時、私は庭から聞こえてきた声に手を止めた。

あれは……旬のクラスの紀野君だ。

たしか、彼もバスケ部で。

紀野君の問いかけに、玄関先に腰かけている旬が笑いながら口を開いた。

「キスが5人で、ヤったのは1人」

……え。

キスが5人……?

ヤったのは、1人……?

それって……。

たちまち心臓が痛いくらい脈打つ。

それと同時にスウッと手足が冷えていく感覚。

そんな私に気付く様子もなく、旬は続けた。
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