恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「けど、近いうちにヤった人数1人プラス」

紀野君が好奇に満ちた顔で旬を見た。

「マジかよ、アテあんの?!」

「ああ。幼馴染み」

ドキンと胸が鳴る。

「もしかして、一組の?!」

旬がニヤリとした。

「そ。瀬里。アイツ、昔から俺に惚れてるんだ。確実にヤれる」

心臓が止まりそうになった。

大好きな旬の口からこぼれる、残酷な言葉。

「アイツなら気心が知れてるし、可愛いしな」

可愛いなんて、大好きな旬に言われると本当は嬉しいはずなのに、私は心臓を掴まれたような苦しさと痛みに、息が出来なかった。
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