恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
私がそう言うと、雪野先輩は数秒の後、静かに口を開いた。

「お前に、頼みたいことがあるんだ」

「私に……ですか?」

「ああ」

「なんですか?」

私はペットボトルを両目に押し当てたまま、雪野先輩に訊ねた。

当然、先輩の表情は見えない。

「もうすぐ、俺の誕生日がくる」

「そうなんですか!おめでとうございます」

「誕生日を迎えた次の満月に、俺は婚約しなきゃならない、人狼の王として」

ほう!まだ若いのにもう婚約!?

そんなの校内の女子に知れたら、すぐさまSP付けないとヤバイね。
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