恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「お前、身の程をわきまえないと酷い目に遭うぜ」

な、なに?!

眼を見張る私に、先輩はニヤリと笑った。

「俺が『愛してる』のが、お前だと知れたら……お前、生きていけんの」

サアッと一気に血の気が引いた。

それから、あの日非常階段で先輩に抱き締められた記憶が蘇る。


『愛してる……心から。好きだ。一生お前だけを愛してる』


顔面蒼白になっているであろう私に、先輩は続けた。

「俺に弁当作ったのがお前だと知れたら……」

硬直している私が愉快なのか、先輩は益々悪い微笑みを浮かべた。
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