恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
途端に翠狼が、素早く私に覆い被さった。

片手で喉を強く掴まれ声がでない。

眼を見開く私を至近距離から見つめて、翠狼は笑った。

「白狼が好きか?」

白狼って……誰……!?

私は眉を寄せて、ただただ首を横に振った。

そんな私を見て翠狼は端正な顔を傾け、僅かに両目を細めた。

「隠しても無駄だ。お前が白狼の許嫁なのは分かってるんだ」

翠狼は続けた。

「あんなガキに人狼王の座など渡してたまるか。
お前には死んでもらう」

言い終えると同時に、翠狼はニヤリと笑った。
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