恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
このまま回れ右をしたい気持ちに囚われながらも、私は仕方なく正門を通過しようとした。
その時、
「夏本さん」
キ、キターッ!!
クラスメイトには瀬里って呼ばれている。
こんな風に『夏本さん』なんて呼ばれたことなんか、ない。
ドキッと鼓動が跳ねる中、私は声の主を振り仰いだ。
見るとそこに、両手を胸の前で握り締めた愛華先輩が立っていて、心配そうに眉を寄せて私を見つめていた。
「は、い……」
「少し、話があるの。ついてきてもらっていい?」
嫌とは言えなかった。
その時、
「夏本さん」
キ、キターッ!!
クラスメイトには瀬里って呼ばれている。
こんな風に『夏本さん』なんて呼ばれたことなんか、ない。
ドキッと鼓動が跳ねる中、私は声の主を振り仰いだ。
見るとそこに、両手を胸の前で握り締めた愛華先輩が立っていて、心配そうに眉を寄せて私を見つめていた。
「は、い……」
「少し、話があるの。ついてきてもらっていい?」
嫌とは言えなかった。