恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「答えて」

もう、ごまかせない。

「……はい……」

私は観念して頷いた。

みるみるうちに愛華先輩の表情が変わった。

あんなに可憐で可愛いと思っていた彼女が、口を歪めて舌打ちした。

「なんでアンタなの?」

忌々しそうに私を睨み据えるその顔に、可憐さは跡形もなかった。

「この間は二人してよくも騙してくれたわね」

私は渡り廊下での出来事を思い返しながらゴクリと喉を鳴らした。

「あんた、片瀬旬が好きなんじゃないの?アイツとキスしたらしいじゃん。なのに、どうして雪野君ともイイ関係なわけ?」
< 142 / 305 >

この作品をシェア

pagetop