恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
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とてもじゃないけど、授業どころじゃなかった。

でも皮肉なことに、みんなの視線から逃れられる授業中が、一番安らげることも事実で。

命を狙われそうになっただけでも物凄い体験なのに、雪野先輩と抱き合ってたのが私だと学校中にバレてしまった。

クラスメイトもよそよそしいし、刺すような視線が四六時中私を襲う。

中でも志帆ちゃんは、私を睨んだ後ツン!と横を向いたきり、視線すら合わせてくれなかった。

そりゃ、怒るよね。

私、知らないって嘘ついちゃったんだもの。

「みんな、ひがみすぎ!!」

唯一、明日香ちゃんだけはいつもと代わりなく私に接してくれる。
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