恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
涙が溢れて頬を伝い、声が上ずったけど、私は泣きじゃくりながら雪野先輩を睨み上げた。

「画だけじゃない!アンタのせいで、私は学校中の生徒から好奇の眼にさらされてる!中でも愛華先輩や里緒菜先輩に妬まれて、こんな状態で学校なんか行けないよ!!私はただ静かに過ごしたいだけなのにっ」

気付いたら、私は雪野先輩の胸を拳で殴っていた。

「白狼って、アンタの事でしょ?!」

雪野先輩が、優しく私の両手首を掴んだ。

いつもは鋭い眼が、辛そうに瞬く。

「……瀬里」

「翠狼は私が先輩の婚約者だって本気で思ってる。私、殺されそうになったんだよ?!なのにアンタは彼に付いていった私ばかりを責めて……最低だよっ!!アンタなんか大嫌いだよっ!何で私がこんなめに遭わなきゃならないの!?全部アンタのせいじゃん!」
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