恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「俺をバカにするのはかまわない。だが、偉大なる天狼神を侮辱し、その名を地に落とそうとする者は誰であろうが許さない!」

……先輩だ。

先輩の声だ!

私は必死で人混みを掻き分けて、先輩の姿を探した。

「白狼!今ここで俺達と決闘しろ!白狼派と凰狼派の正当な決闘だ。立ち会いは翠狼派の代表、翠狼にやってもらう!」

う、そ。

私はなりふり構わず、隣の人の腕を掴んだ。

「ねえ、決闘って、正当な決闘って、なに?!」

「なんだ……お前、誰だ」

「ごめん、今は詳しく話す暇がないの」

私に腕を掴まれたのは長身の男の子で、彼は驚きながらも私の問いに答えてくれた。
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