恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
死ぬの、私。

死なんて、正直もっともっと先のことだと思ってた。

でも、今までに体験したこともないほどの痛みと、息苦しさだ。

意識も朦朧としてきて、眼がかすむ。

ダメ。

意識がなくなっちゃう前に、ちゃんと言っておかないと後悔する。

私は大きく息を吸うと、激痛に耐えながら口を開いた。

「……先輩、私のせいで……本当にごめんなさい。
……私、先輩が王になるのを心から祈ってる。それから先輩、私、先輩が凄く大好きです」

「瀬里、しっかりしろ!」

そう言った直後、先輩が辺りを震わすような唸り声を上げた。
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