恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
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ついにこの時が来たと感じた。

凰狼派が反旗を翻した。

人狼族には三つの派閥が存在している。

先代の王の時代から燻ってはいたが、石が俺を選んだ際に、正式な派閥がそれぞれの息子の名でたちあげられた。

『自ずとわかる』

あの日、最後にそう言った天狼神の言葉の意味が、今なら分かる。

派閥争いに決着をつけ、人狼族を統一する事。

それが王になる前に与えられた、俺の指命なんだ。

今この時こそ派閥をなくし、人狼族を統一する時なのだ。

俺は決心した。
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