恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
●●●
勝敗は見えていた。
凰狼は計算高いが俺ほど強くはない。
厄介なのはあの爪の猛毒。
それを瀬里に……!
翠狼の腕の中で、瀬里の身体が力なく傾いた。
……瀬里……!
よくも、罪もない瀬里を。
王に相応しいのが俺だと分からせてやるだけのつもりだったが……。
殺してやる!
「覚悟しろ。真神の元へ送ってやる!」
俺は凰狼の喉元に食らいついて、とどめを刺そうと大きく口を開けた。
「止めてください!白狼様!!」
すんでのところで、女が凰狼に覆い被さり、その身体を抱き締めながら俺を振り仰いだ。
「どうか、どうか、この人を殺さないで……!!」
桜花(おうか)だった。
勝敗は見えていた。
凰狼は計算高いが俺ほど強くはない。
厄介なのはあの爪の猛毒。
それを瀬里に……!
翠狼の腕の中で、瀬里の身体が力なく傾いた。
……瀬里……!
よくも、罪もない瀬里を。
王に相応しいのが俺だと分からせてやるだけのつもりだったが……。
殺してやる!
「覚悟しろ。真神の元へ送ってやる!」
俺は凰狼の喉元に食らいついて、とどめを刺そうと大きく口を開けた。
「止めてください!白狼様!!」
すんでのところで、女が凰狼に覆い被さり、その身体を抱き締めながら俺を振り仰いだ。
「どうか、どうか、この人を殺さないで……!!」
桜花(おうか)だった。