恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
『こんな争いは馬鹿げてる!天狼神の子孫だろうが真神の子孫だろうが関係ないわ!どちらも同じ人狼よ!』


俺の使命は……!

「翠狼!」

俺はグッと両目を閉じて決心した後、翠狼を見た。

「なんだ白狼」

翠狼が俺に言葉を返す。

「力を貸してくれ。場の収集を頼む」

翠狼はしばらく俺を見つめて唇を引き結んでいたが、やがてホッと息をついた。

「……分かった」

「それから、桜花」

桜花が涙に濡れた眼を俺に向け、掠れた声を出した。

「はい、白狼様」

「凰狼の傷の手当てをしてやれ」
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