恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「人間の女がこんなにか弱いなんて、知らなかったんだ」

「へ?」

「人狼族の女は、あれくらいで怪我するヤツなんていないし、怪我も数時間以内に完治する。それに、腕っぷしは男顔負けのヤツもいる」

「だから、私にあんな事したの?私も平気だって思ったの?」

「……悪かったと思ってる」

「お前がその……白狼の許嫁だと知って、お前もアイツばりに強いのかと……」

そんなわけ、あるかっ!!

アンタに階段の下に叩き落とされてどんだけ痛かったと思ってんのっ!

おまけに蹴り入れやがって!

思い出したら痛みとか怖さが蘇ってきてムカついたから、私はゆっくりと起き上がって翠狼を睨んだ。
< 279 / 305 >

この作品をシェア

pagetop