恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
vol.9
恋した彼はプラチナウルフ
●●●●●
八月十八日。
あの日から、私は先輩に会っていなかった。
先輩からの連絡もなかったし、決心が揺らぐのが嫌で、私からも連絡を取らなかった。
『今晩、お前の家に行く』
だから、先輩からこの短いラインが送られてきた時は胸がキュッと軋んだ。
そう、今日は《満月の儀式》だ。
形だけだけど、私は先輩の許嫁を演じる。
細かな打ち合わせは無かった。
多分許嫁らしく、黙って先輩の隣にいればいいんだろうな。
ただ、掌にナイフブッ刺して、何かに血を滴らしたりとかがないことを祈ろう……。
八月十八日。
あの日から、私は先輩に会っていなかった。
先輩からの連絡もなかったし、決心が揺らぐのが嫌で、私からも連絡を取らなかった。
『今晩、お前の家に行く』
だから、先輩からこの短いラインが送られてきた時は胸がキュッと軋んだ。
そう、今日は《満月の儀式》だ。
形だけだけど、私は先輩の許嫁を演じる。
細かな打ち合わせは無かった。
多分許嫁らしく、黙って先輩の隣にいればいいんだろうな。
ただ、掌にナイフブッ刺して、何かに血を滴らしたりとかがないことを祈ろう……。