恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
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「ああー、楽しかったな」

赤い夕日を背にして駅から家へと帰る道のりで、旬が両手を上げてグッと背伸びをしながら空を仰いでそう言った。

「瀬里も楽しかった?」

フワリと旬が微笑んで斜めに私を見つめた。

「うんっ!凄く楽しかった!」

「……よかった」

「私、ジェットコースターなんて久し振りだったから怖くてダメかなと思ったけど、メチャクチャ面白かった!なんであーゆーの乗ると笑いが止まんないんだろ?!笑いがこみあげてきて、」

「瀬里」

旬が急に私の言葉を遮ると腕を掴んだ。

「……旬?」
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