恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「はい?」

カレーライスを食べ終えた雪野先輩が、スプーンを置いて私を見つめた。

「あんなの見て、俺が怖くないのかよ」

「あんなのって?」

雪野先輩が眉を寄せた。

「だから、狼に……変わるとこ見て」

私は笑いながら答えた。

「ビックリしたし、緊張しましたけど、そんなに怖くはなかったです。むしろ月と先輩の身体のプラチナ色がマッチしてて、凄く幻想的だったし、狼になった先輩の身体は素敵でしたよ。先輩さえよければ、私の絵のモデルになってもらいたいくらい」

雪野先輩がポカンとした顔で私を見つめていたから、私はそのまま続けた。

「普段学校での方が怖い」

「一言余計なんだよ、酔っ払い」
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